zkFMI
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zkfmi.com · 研究スタック · Rust · MIT · トークンなし

読めないもの
決済する市場基盤。

zkFMI は金融市場基盤のためのプロトコル群です。市場は注文を見ず、決済層は金額を見ません。それでも、価格が提示された中で最良だったこと、そして取引の両脚(受渡しと支払い)が同時に動いたことは、誰でも検証できます。掲載する数値にはすべて裏付けとなる計測記録(artifact)があります。限界はすべて文書に書いてあります。

2026-09-12 · note 決済と秘匿範囲 · PQC 研究の現在地 · 最新の実行証跡と限界

7.0 msDvP 1 件を決済する時間。64 ビットの Bulletproof、1 コア
3,424 B同じビット幅での、決済パッケージ 1 件の通信サイズ(wire 上)
217 / sノード 1 台(8 ワーカー)が毎秒検証できる決済の件数
96 B台帳が外部の口座簿と一致することを示す証明の大きさ。台帳の規模によらず一定
検証者 5非 EVM の Avalanche L1。再起動をまたいでも状態ルートが一致

決める場所は自由、指図は一つ、決済は中身を読まない

移転を決めるのは、見積市場や板のような市場でも構いませんし、ファンド管理者・担保エンジン・銀行の審査のような業務システムでも構いません。どちらの場合も、その判断は封印された一つの指図に載ります。決済層はその指図に付いた証明を検証し、両脚を同時に動かすか、どちらも動かしません。何が決まったのかは知りません。このサイトで例に使うのは見積依頼(RFQ)です。勝った価格は commitment(中身を隠したまま値を固定したもの)のまま市場を出ます。同じ commitment について、最小値であることが証明され、定足数(署名に必要な数のノード)が署名し、指図がそれを運び、台帳の積の証明がそれを消費します。値は一つ、証明は四つ、一度も開きません。ファンドの申込、担保請求、二通貨決済も同じ経路を通ります。違うのは指図を出す側だけです。

決済が読まないもの

  • 金額
  • 価格
  • どの銘柄か
  • 誰が誰に払ったか
  • メイカーの値付け規則と負けた見積

隠す仕組み

  • Pedersen commitment と範囲証明
  • asset tag(資産種別の識別子)。隠した形で、移転ごとに作り直す
  • note(1 件ごとの受取記録)の台帳。one-of-many の ring(本物をおとりに混ぜた候補の集合)付き
  • 7 ノードへの Shamir 秘密分散。過半数が正直なら(honest majority)、不正な参加者(malicious)に対しても安全
  • handle(市場ごとの口座識別子)。一つの seed から市場ごとに別々に導出

決済が確かめること

  • 価値が生成も消滅もしていない
  • 残高が負にならない
  • 資金脚 = 数量 × 価格
  • 両脚が動くか、どちらも動かない
  • 一つの指図は一度だけ決済される。署名は 3-of-7 の定足数

構成要素

プロトコルの核は指図と台帳です。その脇に資格と清算があります。市場と業務システムはその上に載り、どれも指図を出す側として入れ替えられます。コードは zkFMI 組織の下の 8 つのリポジトリに分かれています。状態は共有せず、明示したポート(入出力の口)だけでつないでいます。

指図

zkPI

ゼロ知識証明付きの決済指図。市場の判断を、その判断の元になった入力を見せずに証明できる形にしたもの。中身は、金額・価格・資産の commitment、nullifier(二重使用を防ぐ使用済みの印)、期限、FROST による定足数署名、閾値範囲証明 2 本。wire 上では 9,726 バイト。

決済

DeFMI

分散型の金融市場基盤。commitment にした残高の上での DvP と PvP、ring 署名付きの note、asset tag、ネッティング、デフォルト・ウォーターフォール、正本台帳との照合。専用の非 EVM Avalanche L1 として動く。

資格

DeKYX

分散型の Know Your X。ある行為に必要な資格だけを、匿名の提示で証明する。提示は相手(audience)、行為、nonce、期限に結び付ける。scope(用途の範囲)別の nullifier、署名付きの失効一覧、鍵の交代。scope ごとに仮名だが、発行者から見た連結不能性はまだない。

清算

DeCCP

分散型の清算機関(CCP)。閾値署名で管理する清算簿、gross-gross から net-net までの清算サイクル、証拠金、中身を隠した保証枠、決定的に決まる損失ウォーターフォール。状態を進めるのは、その提案そのものに対する DeFMI の受領証があるときだけ。更改(novation)は 1 取引あたり 0.53 µs。

業務システム

Aethel

プログラムできる支払ストリームの債権化。署名された支払ストリームを、資金調達に使える債権にする。与信判断、保証、資金、サービシングは、独立した提供者が scope を限った capability(権限の札)を通じて供給する。決済は型付きの zkPI を発行して行う。

業務システム

他の業務システム

zkPI と DeFMI は QOMM の部品ではない。ファンドの申込・解約、担保・証拠金の請求、二通貨 PvP、発行と利払、債権、環境証書。移転を決める主体なら誰でも指図を出せる。

他の方式の中での位置

六つの軸で比べ、優劣を両方向に書きます。大半の軸では他のどこかの方が強く、二つの軸では他に誰もいません。

従来の FMI の連鎖DLT 上の DvP 実証Canton(Daml アプリケーション)MPC ダークプール(Rialto、P2DEX、Renegade)Prime Match(J.P. Morgan)監査可能 MPC(BDO 2014、Rivinius 2022)zkFMI
市場が注文を見る見る見る自社の validator と業務側が見る委任された relayer が見るsemi-honest なハブが見る見ない見ない
決済が金額と価格を見る見る見る当事者の validator が見るおおむね見る見る対象外見ない
最良執行を外部者が証明できる報告書のみ。検証不能として廃止できない当事者が規則を再実行する照合の証明はあるが、注文集合はないできない回路の正しさできる。市場機構そのものを証明
清算: 更改、ネッティング、ウォーターフォールCCP一部アプリケーションごとなし銀行の処理系なしDeCCP、commitment 上で
頑健性 / 説明責任法制度合意当事者 + BFT 順序付けまちまち銀行Rivinius: 両方、11–20×第 1 段を配備。第 5 段は n=9 で実装済み
本番稼働あり実証メインネット、商用レポ一部ありなし研究、1 台のホスト

先行研究のページには論文ごとの比較があり、初期稿から撤回した 3 件の主張も載せています。他のシステムとの比較は、2026-09-05 時点の公開資料に基づいて 18 の製品・プラットフォームを扱い、Canton は詳しく述べます。

信頼は実際にどこに置かれているか

誰でも検証できる(説明責任の第 1 段)

quote proof(見積の証明)により、勝った見積が commitment された鍵の中の最小値だったことを誰でも検証できます。配備している MPC は、不正な参加者に対して abort(中断)付きで安全です。つまり逸脱は検出できますが、誰の逸脱かは特定できず、計算を続けることもできません。n ≥ 4t+1 で成り立つ頑健な復元(逸脱があっても結果を出せる方式)は、9 ノードで実装し計測済みで、配備中のエンジンより安価です。配備中のエンジンは 7 ノードで動いています。

検証者は提出物をすべて検証する

各 Avalanche 検証者は、次のすべてを独立に検証してから、状態遷移を原子的に適用します。3-of-7 の承認、型付きの指図、quote proof の全体、共同で作った範囲証明 2 本、テイカー(依頼する側)の価格上限、資産の対応、DvP の関係式、期限、順序番号、直前のルート、nullifier です。

検証者が再実行しないもの

検証者は、非公開の MP-SPDZ の実行記録を再生しません。share(秘密の分割片)から証明への受け渡しは、二つの手当てで閉じています。MPC の体を commitment の群の位数に合わせること、そして参加者ごとに入力を検査することです。それでも委員会への信頼は残ります。その信頼境界は暗黙にせず、wire 仕様に明記しています。

耐量子化は、意図して半分まで

署名と鍵交換は、古典方式と耐量子方式を組み合わせたハイブリッドへ移行中です。署名は Ed25519 + ML-DSA-65、鍵交換は X25519 + ML-KEM-768 で、どちらも両方の方式を必須とし、片方だけへの降格は拒否します。1 台のホストで受入済みで、2026-09-07 以降は 8 リポジトリすべての main に入っています。ゼロ知識の関係式は離散対数のままです。群を使わずに何度でも開ける commitment ができるまでは変えません。現状

匿名性は他人の通信量

ring(本物 1 件とおとりを混ぜた候補の集合)が 16 でも、周囲に他の決済がなければ、どの note が本物かは確実に分かります。他の決済が 16 件分あり、おとりの新しさも本物に合わせてあれば、観測者の当てる確率は名目どおりの 1/16 に留まります。群衆に隠れる構成は、誰もいない部屋では何もしません。計測値がそれを示しています。

三つの入り口

プロトコル技術者

これを土台に作る

  1. zkPI の wire 配置とテストベクタ
  2. DeFMI が検証すること、次に note 台帳
  3. 計算結果を commitment に束縛する
  4. clone、テスト、L1 ゲートの実行
FMI 設計者 · リスク

何を配置するか決める

  1. 配置の選び方: 置き場所、プロファイル、スイッチ
  2. ネッティング方式と日中限度
  3. DeCCPDeKYX
  4. 市場以外の業務システム

これは何ではないか

これは研究実装です。監査は受けていません。資産を預からず、トークンもありません。複数ノードでの受入は、すべて 1 台のホスト上で、一人の管理者の下で、プロセスまたはコンテナとして走らせたものです(AvalancheGo 検証者 5、MP-SPDZ 参加者 7、板ノード 7)。独立した組織をまたぐ配置、実際の WAN、HSM に保管した鍵、法的 finality(決済の法的な確定)のある制度の下では、まだ動かしていません。日本の振替制度の下では、DeFMI は振替口座簿そのものにはなれません。口座簿の写しを持ち、正本と照合します。ここにあるものはどれも規制への準拠ではありません。「監査可能」は統制のための材料であって、統制そのものではありません。現状のページに、現在のゲートと本番の間にあるものを項目ごとに列挙しています。